満天太朗の寺院探訪とコラム

寺院探訪大好きなおっさんです。近畿の寺院や史跡を中心に紹介します。

京都

曼殊院 門跡

住所 京都市左京区一乗寺竹之内町42

宗派 天台宗

拝観 600円

駐車場 無料

ご朱印 あり

ランク ★★★(2.8)(5段階)

🔴門跡寺院である曼殊院は、伝教大師の創建に始まり、比叡山西塔北谷にあって東尾坊

 と称していました。その後北山・洛中と移り、明暦2年(1656)現在地に移転する。

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庭園(国・史跡名勝

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🔴庭園は、小堀遠州好みの枯山水で広く壮大で門跡寺院の格式を誇ります。

 大書院(重文)は、桂離宮との類似点が多い数寄屋風書院の名建築として有名です。

 また小書院には、八窓軒茶室が追加料金を払えば見学できます。

 廊下に展示してある、幽霊の掛け軸は持ち主を度々変えて曼殊院にたどり着いた

 逸話が残っていて恐怖スポットになっています。

🔴寺宝として

 絹本著色不動明王(黄不動)(国宝)

 古今和歌集1巻(国宝)

 その他数多くの寺宝が存在しています、現皇室の方々が訪れる格式高い門跡寺院

 雰囲気を楽しんでほしいと思います。おすすめです。

  

 

 

京都岩倉

実 相 院

住所 京都市左京区岩倉上蔵町121

宗派 天台宗単立

拝観 500円

駐車場 無料 門前にあります。

ご朱印 あり

ランク ★★(2.8)(5段階)

🔴元門跡寺院の実相院は、寛喜元年(1229)静基僧正により開基され、当初は北区

 紫野にありましたが、文明6年(1474)に現在地に移りました。室町末期までに

 兵火により殆どの堂舎をなくしました。

 江戸時代に入り、足利義昭の孫である義尊が門主となり、皇室との関係も深くなり

 御所などから本堂など移築され現在に至ります。かの岩倉具視も一時ここに住み

 当時の密談の記録も残っています。

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池泉鑑賞式庭園(堂内よりの床紅葉が有名です

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枯山水・こころの庭(市民参加で造園された現在的庭園)

🔴実相院を訪れるのは二回目で、今回は春・前回は秋に拝観しました。おおきな門構え

 の元門跡寺院らしい佇まいのお寺です。京都にあって観光客も少なく満喫できる場所

 です。室内は撮影禁止なので「床もみじ」は載せれませんが絵になるのは間違いなし

 庭園や調度品などを観ながらじっくり鑑賞する事が出来ます。

奈良県 

長 岳 寺

住所 奈良県天理市柳本町508

宗派 高野山真言宗

拝観 400円  ※特別拝観 10/23~11/30(極楽地獄絵)

駐車場 無料

ご朱印 あり

ランク ★★★(3.0)(五段階)

🔴長岳寺は、山の辺の道の途中にあり、崇神天皇陵や黒塚古墳などが近くにあり

 雰囲気のある寺院です。大門より鐘楼門までの道のりは、かって点在した48の

 塔頭跡がはるか昔を感じさせる。

 天長元年(824)淳和天皇の勅願により弘法大師空海大神神社の神宮寺として

 創建した古刹です。

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鐘楼門(重文平安時代

🔴見どころとしては、まず鐘楼門で最古の事例で貴重です。そして唯一残った塔頭

 地蔵院(重文です、庫裏と本堂が重要文化財に指定されています、特に庫裏の

 台所も見逃さないようにしてください。地蔵院の本堂の仏像は千手観音です、前面の

 小さな庭園もなかなかです。次に本堂です、本尊の阿弥陀三尊(重文の他 多聞天

 増長天重文や寺宝が展示されています。ここでは、極楽地獄絵(狩野山楽筆)

 展示されます。この極楽地獄絵は、絵解きとして参拝者に勧善懲悪の教えを説き

 先祖供養や中陰・逮夜・年忌の意義を説いたもので、全8幅(安土桃山時代製作)

 からなり秋の特別公開時には、住職自ら絵解きが行われます、紅葉時期と相まっての

 メインイベントです。他にも石造物や庭園、境内飛地五智堂(傘堂)(重文など

 見どころは多いです。

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地蔵院本尊 

🔴最後に、本堂の血天井についてですが見逃しがちに注意してください。松永弾正に

 攻め落とされた、龍王山城の十市遠忠の部下達がここで力尽き息絶えたので供養

 として残したものと考えられています。

 

 

奈良県

聖 林 寺

住所 奈良県桜井市下692

宗派 真言宗室生寺派

拝観 400円

駐車場 無料

ご朱印 あり

ランク ★★★(3.5)(5段階)

🔴聖林寺は、和銅5年(712)に多武峰妙楽寺(現・談山神社)の別院として

 藤原鎌足の子 定慧が創建したと伝えられています。

 幾度かの火災により衰退していましたが、江戸時代に大神神社の神宮寺である平等寺

 の建物を移築して再興しました。天台宗でしたが改宗して今に至ります。

 明治の廃仏毀釈の折に、大神神社の神宮寺・大御輪寺の本尊であった十一面観音を

 移管しました。

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木心乾漆 十一面観音立像(国宝)(奈良時代

🔴聖林寺の見所は、十一面観音立像です。評価は人にもよりますが、素晴らしい仏様

 です。スタイルは勿論ですが、顔の表情が凄みがあって、生きてるような目線で

 圧倒してきます。フェノロサ秘仏の禁を解き、状態がいいのです。

f 収蔵庫が新しくなるので十一面観音立像の見方も変わるかもしれ

 ないですが、狭い空間に一人でいると怖いくらいです。聖林寺の本尊は子安延命地蔵

 という石造でユーモラスな表情が特徴です。寺宝もあり、曼荼羅を多く所蔵していま

 す、曼荼羅展の時は、拝観料が500円になります。11/1~11/30の期間

 

奈良県

安倍文殊院

住所 奈良県桜井市安陪645

宗派 華厳宗別格本山

拝観 700円 抹茶菓子付き ※金閣浮御堂拝観 700円 共通券¥1,200円

駐車場 500円

ご朱印 あり

ランク ★★(2.5)

🔴日本三大文殊の一つ安倍文殊院は、古代史族の安倍氏の氏寺です。境内には、文殊院

 西古墳 推定(7世紀後半)がありおそらく安倍倉梯麻呂の墓ではないかといわれてい

 ます。この寺は、大化元年(645)安倍倉梯麻呂が創建しましたが平安末期多武峰の     

 僧兵により焼失、鎌倉時代に現在地(300m東)に移り再興した。しかしまたもや

 松永秀久の兵火により灰燼に帰した。寛文5年(1665)ようやく本堂が再建され現在

 に至ります。

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金閣浮御堂(寺宝を展示しています)

※別途700円の拝観料が必要です。おススメはいたしませんが・・・・・本堂拝観の

折に住職から事情を聴くとなるほどなと思う一面もあります。檀家のない寺で祈祷と

拝観料などでやりくりをしているとの事です。正直です。

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文殊菩薩騎獅像(国宝鎌倉時代 快慶作

🔴渡海文殊群像ともいい総高7mと、現存する文殊菩薩としては最大です。快慶独特の

 美しく端正な顔立ちです、脇侍4軀も国宝です、善財童子・最勝老人像(維摩居士

 仏陀波利三蔵像(須菩薩)・優填王像も優れた名作です。また文殊菩薩胎内から

 「仏頂尊勝陀羅尼経」(国宝)も発見されました。

 陰陽の安倍晴明歌人阿倍仲麻呂もこの地の出身です、歴史を感じながら文殊院

 散策するのも一興ですね。

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奈良県

橘寺と明日香の石造物

住所 奈良県高市郡明日香村橘532

宗派 天台宗

拝観 350円 ※春と秋に寺宝公開

駐車場 無料

ご朱印 あり

ランク ★★(2.5)

🔴橘寺の沿革は不明な部分が多く、伝説では聖徳太子誕生の地とあります。

 天武天皇9年(680)日本書紀に初見がみられます。7世紀後半には存在し

 川原寺と対をなす尼寺であった。永正3年(1506)の兵火により伽藍は焼失

 元治元年(1864)本堂{太子堂}が再建され以降現在の様子を取り戻す。

 新西国札所でもあり境内には四季折々の花が咲きます。寺宝も多く残り、

 春と秋に公開されます。また境内片隅に「二面石」があります。飛鳥時代

 石造物です、是非ご覧ください。

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二面石 善と悪を表してるとか?
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橘寺境内の様子、右は修理中の観音堂

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亀石

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酒船石

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亀型石造物(ここは、300円必要です)

🔴明日香村近辺には多くの石造物があります。益田の岩船・猿石・須弥山石・鬼の雪隠

 など他にもありますが使用方法は謎とされています、おおよその推理はできます。

 益田の岩船や鬼の雪隠などは古墳の石室跡、須弥山石などは庭園の噴水施設、猿石

 ・亀石などは境界のオブジェクト、亀形石造物や酒船石なども庭園の施設ではないか

 と推理できます。古代のロマンは誰でも自説を展開できるのが楽しいのです。

奈良県

飛鳥寺(安居院)

住所 奈良県高市郡明日香村安宿682

宗派 真言宗豊山派

拝観 400円

駐車場 無料 ※隣の駐車場は有料なので注意する事。

ご朱印 あり

ランク ★★★(3.0)

🔴飛鳥寺は、崇峻天皇元年(588)蘇我馬子が発願し推古天皇4年(596)に建立され法興寺元興寺飛鳥寺ともいい、日本最初の本格的寺院です。創建当時は、一塔三金堂を中心に伽藍配備でした。しかし仁和3年(887)と建久7年(1196)の火災で焼失し荒廃していました、江戸期に本堂が再建され現在に至ります。

🔴飛鳥寺といえば飛鳥大仏です。本尊飛鳥大仏(釈迦如来坐像)(重文)は、推古天皇17年(609)鞍作鳥(止利仏師)によって造られた日本最初の仏像。火災などで補修されてるとはいえ、最新の研究では頭部はほぼ当時の物ですから1400年の月日を経て微笑みかける姿はある意味奇跡です。しかも写真撮影OKなのです、寺宝も展示されています。新西国札所でもあり明日香村の代表寺院だと思います。

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釈迦如来坐像(重文